- ダウ理論の正体と重要性!
- ダウ理論を用いたエントリー方法!
- ダウ理論と相性の良いインジケーター!
FX界には様々な理論がありますが、最も重要な理論として、私は「ダウ理論」を提唱します。
ダウ理論を理解すれば、トレンドに沿ったエントリーができるようになり、FXの成績が格段と良くなります。
ダウ理論は、知名度こそ抜群ではありますが、運用レベルまで落とし込めているFXトレーダーは少ない印象を受けます。
そこで今回は、ダウ理論の基本から環境認識・エントリー方法まで徹底解説していきます。
※ダウ理論の基本をご存知の方は、下の目次より「4 【環境認識編】ダウ理論で相場の対局を把握しよう!」へスキップしてください。
ダウ理論とは?
当初は株式市場で展開された理論ですが、今日ではFXにおいても非常に大切な理論です。
ダウ理論の中でも重要なポイントは、以下の2点です。
市場は全ての情報を反映する!
多くのトレーダーが注目するファンダメンタル的な事象は、実は既に価格に織り込まれているのですね。
市場はトレンドに従う!
要するに、トレンドが確立すると、一時的な逆行に影響されることなく、その方向へ進み続ける可能性が高いということです。
ダウ理論で大事な「押し安値」と「戻り高値」!
ダウ理論によれば、一度形成されたトレンドは、明確なサインがない限り、その方向に向かって進み続けることになりました。
その明確なサインとは、「押し安値」と「戻り高値」のブレイクです。
「押し安値」と「戻り高値」は、ダウ理論において最も大事な用語ですので、詳しく解説していきます。
ダウ理論の「押し安値」とは?
「押し安値」とは、高値更新した際の起点となる直近安値を指します。
上の図をご覧ください。
前回高値を高値①が更新しました。この時の「押し安値」が、押し安値①です。
次に直近高値①を高値②が更新しました。そこで「押し安値」は①から②にシフトします。
続いて高値③を形成しましたが、これは高値②を更新していないため、「押し安値」も②のままです。
最後に高値②を高値④が更新しました。よって「押し安値」は④に推移します。
ダウ理論の「戻り高値」とは?
「戻り高値」とは、安値更新した際の起点となる直近高値を指します。
上の図をご覧ください。
前回安値を安値①が更新しました。この時の「戻り高値」が、戻り高値①です。
次に直近安値①を安値②が更新しました。そこで「戻り高値」は①から②にシフトします。
続いて安値③を形成しましたが、これは安値②を更新していないため、「戻り高値」も②のままです。
最後に安値②を安値④が更新しました。よって「戻り高値」は④に推移します。
ダウ理論の「押し安値」と「戻り高値」!
上の図で、「押し安値」と「戻り高値」のおさらいをしましょう。
「押し安値」と「戻り高値」の判断基準はもう大丈夫ですよね。
上図で重要なのは、「押し安値」②が安値①でブレイクされた時に、「押し安値」②が消滅し、新たに「戻り高値①」が生成されるところです。
これはダウ理論でいう「トレンドを否定する明確なサイン」であり、ダウ理論の目線も「上」から「下」に切り替わります。
ちなみに余談ですが、こちらは「三尊天井」と呼ばれる、下落を示すチャートパターンです。
この記事でわかること 三尊・逆三尊のエントリー方法! リアルチャートのエントリーポイント! 三尊・逆三尊でトレードする時の注意点! 三尊・逆三[…]
FXにおいてダウ理論が重要な理由!
見方を少し変えてみましょう。
世界の為替を動かしているのは、大口トレーダーですよね。
大量のlongポジションを保有した状態で、「押し安値」付近まで価格が下落してきました。
このまま価格が「押し安値」を割ると、保有ポジションが含み損になってしまいますよね。
そうならないよう、新規で大量にlongを追加し、強引にでも上昇トレンドを築くはずです。
もちろん、それでも価格が「押し安値」を割ってしまうこともあります。
その際に大口が損切りを実行したとしましょう。すると価格は暴落し、一気に下降トレンドへと推移していきます。
このよう「押し安値・戻り高値」と大口トレーダーには、密接な関係があります。
【環境認識編】ダウ理論で相場の対局を把握しよう!
それではダウ理論を用いた環境認識を見ていきましょう。
環境認識にダウ理論を用いることで、複雑に見えるFXチャートも、上昇(下降)局面と調整局面に大別できるようになります。
日足と4hのダウ目線を確認する!
ダウ理論で環境認識する際は、4hと日足の中長期足を利用することをおすすめします。
もちろん週足や月足などの超長期足のダウ目線も重要ですが、足1本が確定するまでの時間が長く、更新頻度が低いため、個人トレーダーレベルではそれほど意識する必要はないと思います。
但し、数ヶ月から1年スパンの中・長期スイングトレードをされる方でしたら、週足のダウ目線も押さえておくと役立ちます。
日足と4hのダウ目線が同じ時の環境認識!
双方とも上目線の場合は、long一択に絞って、エントリーポイントを探していきましょう。
双方とも下目線の場合は、エントリーもshort一択に絞ることをおすすめします。
checkダウ目線の方向と逆に価格が動いている時は、調整局面の可能性が高いです。絶好の押し目(戻り目)と捉え、エントリーの機会を伺いましょう。
エントリー直後に価格が逆行し、一気に損切りまで持っていかれる方は、この相場で逆張りエントリーしている可能性があります。
日足と4hの目線が異なる時の環境認識!
デイトレレベルの値動きは基本的には4hダウの影響を受けやすいですが、いつ日足レベルの強力な注文が入っても不思議ではなく、まさにジェットコースターのような乱高下相場と化します。
この時のチャートは、日足の「押し安値」と4hの「戻り高値」の間でレンジが形成されていることも多いです。
「FXはレンジが7割」と言いますが、言い換えれば、残りの3割はトレンド相場です。
さらに言い換えれば、通貨ペアのうちの3割はトレンド相場になっている可能性が高いです。
FX初心者のうちは一つの通貨ペアに集中することも大切ですが、ある程度相場に慣れてきたら、複数の通貨ペアを監視してみてはいかがでしょうか。
【トレード編】ダウ理論を利用したエントリー手法!
それではダウ理論に基づいたエントリー手法をご紹介していきます。
実際のリアルチャートを用いながら解説していますので、実際にトレードするイメージでご確認くださいね。
ダウ理論でトレンド転換の初動を捉える!
ダウ目線の転換は、ここまで続いてきたトレンドの終焉を意味し、新たなトレンド転換に繋がる優位性があります。
次のチャートをご覧ください。
こちらはポンド円の4hチャートです。
(左側が見えませんが)長らく下降トレンドが続いていた相場で、4hレベルで大きな上昇波動が形成され、戻り高値をブレイクしたことが伺えます。
これは下降トレンドの否定を意味しており、今後上昇トレンドに繋がる可能性を示唆しています。
続きのチャートを見ていきましょう。
こちらはその後の値動きを1hチャートで表したものです。
4hで戻り高値をブレイクして押し安値を形成後、1hレベルで下降トレンドが発生していることが確認できます。
これは4hの上昇波動に対する調整と考えられるので、下降トレンドラインが否定されたら、上昇再開に繋がる可能性が高いです。
すると縦線付近で下降トレンドラインを陽線ブレイクしてきました。
しかも値動きの波動を見ると、ダブルボトム(安値切り下げ型)を形成しており、これも上昇サインに見受けられます。
その後のチャートを見ていただくと分かる通り、直後に大陰線を付けており、含み損を長く抱える展開になりました。
次に見ていきましょう。
下位足のダウ理論でエントリーのタイミングを掴む!
ダウ理論に基づいて下位足を細かく分析すると、適切なエントリータイミングが見えてきます。
次のチャートをご覧ください。
こちらは、上のチャートを5分足レベルに落とし込んだものです。
※左赤線付近がエントリーしたタイミングです。
※ダウ理論の「押し安値」と「戻り高値」が見やすいように、「SwingHL-mesen」という自動描写インジケーターを利用しています。
案の定、直後に5分足レベルで価格が急降下し、ダウ理論的にも「戻り高値」を形成して下目線になっています。
この調整は勢いが強く、この「戻り高値」(青線)はネックラインとして機能する可能性が高いです。
その後のチャートでも、なかなか「戻り高値」の下で価格が推移していることが見て取れますね。
さらにチャートを見ていくと、右側のA点で、5分足レベルの「戻り高値」をブレイクしました。
しかも超大陽線でブレイクしていますので、かなり強い上昇シグナルとして捉えられます。
5分足でエントリーのタイミングを取れると、次のようなメリットがあります。
- リスク・リワード比の改善
- 含み損期間が短くなりメンタル負荷低減
注意点5分足単体のダウ理論は優位性が低く、機能もしづらいです。必ず上位足でトレード根拠を積み重ね、最終のエントリー判断として5分足も活用してみましょう。
今回のトレードでは、赤線(上位足のトレード根拠)の右側なら、どこでエントリーしても問題ありません。
ダウ理論に基づいて損切りを設定する!
FX初心者の有名な負けパターンの一つとして、「損切り貧乏」を挙げられます。
これは大暴落を経験して損切りの重要性を知ったトレーダーが、こまめに損切りを執行するようになった結果、ジリジリと資産を減らしていく状態です。
この時の基準足は、トレードスタイルにもよりますが、1hや4hレベルの「押し安値」と「戻り高値」がおすすめです。
ダウ理論を利用する際におすすめのインジケーター!
ダウ理論の有効性はご理解いただけましたら、早速ご自身のトレードに活用していただければと思います。
ただ、リアルチャートを見て「押し安値」と「戻り高値」を判断するのは、少々慣れが必要です。
上のチャートをご覧ください。
そこで「押し安値」と「戻り高値」を判別する際に役立つインジケーターを2つご紹介いたします。
SwingHL-mesen
まずは先ほども登場した「SwingHL-mesen」をご紹介します。
「SwingHL-mesen」を導入すると、上画像のように、「押し安値」と「戻り高値」のラインを自動で表示してくれます。
もちろん、ろうそく足の値動きに応じてリペイントされますので、自分でラインを引き直す必要もありません。
複数通過ペアを監視していると、水平線を手動で引くだけでも一苦労ですよね。
「SwingHL-mesen」はリーズナブルな割に、環境認識の工数を大幅に削減してくれ、費用対効果も抜群です。
- 商品名:SwingHL-mesen
- 価格:6,800円
ZigZag
無料インジケーターをお探しの方へは「ZigZag」をおすすめします。
「ZigZag」を利用すると、チャートに上のような線が表示されます。この線が加わるだけでも、格段と「押し安値」と「戻り高値」を探しやすくなりますよね。
ただ自分で「押し安値」と「戻り高値」を探さないといけないため、ダウ理論に不慣れなFXトレーダーには、少し扱いづらいでしょうか。
また複数通貨ペアを監視していると、ダウ目線の転換を見落としてしまう可能性もありますので、運用の際は気をつけましょう。
ZigZagは、MT4やトレーディングビューで利用可能なインジケーターですので、チェックしてみてくださいね。
ダウ理論と他のエントリー根拠を組み合わせて勝率UP!
いかがでしたでしょうか。
ダウ理論には世界中のトレーダーが注目しています。
またFXで安定した成績を抑えめているトレーダーは、皆がダウ理論の大切さを説いています。
ダウ理論をベースに環境認識を行い、他のテクニカル手法と組み合わせてエントリーしていけば、勝率が上がることは必至です。
ダウ理論と相性の良いテクニカル手法は次の通りです。